わたしの生まれてきたわけは

そんなことを書いています。

読むこと

本を読む時間が多い。

本は私を一瞬でその世界へ連れて行ってくれる。

 

最近思うことは、

本を読んでいると魂を削がれること。

良いのか悪いのか、心的疲労が尋常ではない。

 

ここ一か月で特に振り回されたのは、

原田マハさんの最新作「サロメ」。

原田マハさんの作品では「本日は、お日柄もよく」を読んだのが初めて。次に「最果ての彼女」という短編集を読んだ。

その作り出す世界観もさることながら、紡ぎだされる文章自体の美しさに魅了された。

 

今作も、原田マハさんの丁寧で品のある文章が私の心にスッと入ってくる作品だった。

しかし今回彼女が選んだ題材は、そうやすやすと読み進められるような代物ではなかった。

 

登場人物の生命力が、愛憎が、読み手側に押し寄せ刻一刻とその心を蝕んでいく。

息が苦しくなり何度かその読む手を止めざるを得なかった。

早く、早くその先が知りたいのに。心が追い付かない。

あまりにも醜く、そして美しく乱れあう人間模様。なぜ、人は狂うほどに人を愛するのか。その答えは見つかるはずもない。目の前にあるのは、愛を超えた何か。

私は、ただただそれを傍観することしかできない。

苦しい。その首は、誰のものなのか。

 

今こうしている間にも、私の心はサロメの虜になって動けない。

思い返せば返すほど。

狂おしいほどに。