わたしの生まれてきたわけは

そんなことを書いています。

寝たい時に寝られるって素敵

先週の月曜日から、ストレスから来るあらゆる症状を緩和するための弱めな薬を飲み始めた。

これが効く。

 

この薬の処方にあたっては、「症状が改善されてきていると思っている私」vs.「私の最近の話を聞いて芳しくない顔をした主治医」の闘いが繰り広げられ、私は何を思ったか一瞬主治医に対して物申し立てるところであった。

しかし、私も患者の身。

ここは従おう。私が何を言ったところで、1ヶ月半私を見てきたこの医師の提案には敵わぬ、と3秒で負けを認めたのである。(勝ち負けではないことは分かっているが、表現としてはこれがもっともしっくりくる。)

 

はて、服薬が決まり、「症状が改善されてきていると思っている私」はそれなりに動揺し、メンタルヘルスにおいて信頼をおく友人に早々に連絡を入れた。

彼は私の服薬を冷静に受け止め、「安心しろ」という言葉を残した。安心した。

 

その次の日の朝から私は薬を飲み始めた。

処方にあたり説明はされていたが、確かに少し眠たくなる。なるのよ。これが。

何が凄いって、私の肺に入ってくる空気の量が、凄い。

先生、これがリラックスってものなのね。

ありがとう、先生。

昨日はたてつこうとしてまじですみませんでした。

わたし、やっと寝られるのね。

 

その日以降、快適寝つきライフを送っているのは何を隠そうこのわたしである。

1ヶ月半、寝付くのに2時間もかかっていたのに。私には寝る才能がないのかしらなんて思っていたのに。

 

寝るまでに何分かかってるのかすらわからないほどの寝つきの良さ。

もともと休職なんてことになる前から、一度起きると眠たくてもなかなか寝付けなかったわたしにとって、今や昼寝なんて朝飯前。

 

寝たい時に寝られることってこんなにも幸せなのねと友人達に言いふらすほどの幸せぶりである。

 

「芳しくない顔をした主治医」心からありがとう。また来週会えるね。楽しみにしてるよ。

 

 

読むこと

本を読む時間が多い。

本は私を一瞬でその世界へ連れて行ってくれる。

 

最近思うことは、

本を読んでいると魂を削がれること。

良いのか悪いのか、心的疲労が尋常ではない。

 

ここ一か月で特に振り回されたのは、

原田マハさんの最新作「サロメ」。

原田マハさんの作品では「本日は、お日柄もよく」を読んだのが初めて。次に「最果ての彼女」という短編集を読んだ。

その作り出す世界観もさることながら、紡ぎだされる文章自体の美しさに魅了された。

 

今作も、原田マハさんの丁寧で品のある文章が私の心にスッと入ってくる作品だった。

しかし今回彼女が選んだ題材は、そうやすやすと読み進められるような代物ではなかった。

 

登場人物の生命力が、愛憎が、読み手側に押し寄せ刻一刻とその心を蝕んでいく。

息が苦しくなり何度かその読む手を止めざるを得なかった。

早く、早くその先が知りたいのに。心が追い付かない。

あまりにも醜く、そして美しく乱れあう人間模様。なぜ、人は狂うほどに人を愛するのか。その答えは見つかるはずもない。目の前にあるのは、愛を超えた何か。

私は、ただただそれを傍観することしかできない。

苦しい。その首は、誰のものなのか。

 

今こうしている間にも、私の心はサロメの虜になって動けない。

思い返せば返すほど。

狂おしいほどに。

起きたから、

今日も起きた。

最近は、夜なかなか寝付けなくてだいたい4時12時の8時間催眠。10時にアラームをかけているけど、聞こえもしない。

 

昨夜はとくに今読んでいる小説で頭と心がぐちゃぐちゃになっているところだった。

 

「くちなし」

彩瀬まるの短編集で7つの愛の物語が収録されている。

読んで貰えば分かるが、訳がわからない。読んでいると、この世であってこの世ではない、しかし美しい世界が目の前に広がる。

わたしにはまだこの短編集を上手く表現するための言葉を知らない。

 

この本が、高校生直木賞を受賞しているらしいがおそらく相当な議論の末に決定されたのではないかと思う。なんて大人びた高校生達なの。さすが本好きの子達は当時のわたしとは選ぶ本が違う。

 

と、思う半面、高校生であれば案外すんなりファンタジーの領域で読めてしまうのかも知れないとも思った。そのくらいぶっ飛んでいる。

 

25歳。私も社会に出ればまだまだ小娘ではあるが、一応大人に分類される年齢だ。それなりに紆余曲折な人生を送ってきた。ピュアさが足りないのかも知れない。

いやでもそんなことで終わらせたくないほど私の心は乱された。なぜなら、理解に難しいモノ達があまりにも美しいから。

文字なのだ。わたしが読んでいるのはどう見たって文字。ただ、読んでいる間中ぶっ飛んだ世界が美しく目の前に広がっている。

 

実はまだ読み終わっていなくて、あと3編残っている。

彩瀬まるの世界に振り回されに行きたいと思う。

痛み

体が、次の段階へ進もうとしている。

追いつけない心を抱えて、それでも私はまた前も後ろもわからない大海に身を投じなければならない。

 

一寸先は暗闇。信じられる者は己のみ。

痛みは人の間を行き交うことはせず、じわじわとわたしの体の中で広がっていく。

この世に正解も間違いもない。それでも、生き辛さは存在している。その証拠に、また胃がキリキリと痛む。

 

愛する者が全て敵に見える時がある。煩わしい。

自分の想像していた様に動かない人間達に不安を覚える。その不安が他人を傷つけることはない。私は私の手で私の心を握りしめ、キリキリと音がするほどに苦しめる。

 

人間でありたい。人間でありたくない。

道端に咲く花に生まれれば、どんなにシンプルで誇り高い一生になっただろう。

思考を持って生まれたことが、人間であることが、私にとってなんの役に立つだろうか。

 

私の人生は、何故わたしのためにあるのか。

涙が出た。